日本森林学会大会発表データベース
第126回日本森林学会大会
セッションID: T12-05
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T12. 国際認定は地元を豊かにしたのか -世界自然遺産、エコパーク、世界農業遺産、ジオパークの定量・定性的分析事例から-
世界自然遺産地域における観光利用と混雑-屋久島縄文杉登山を中心に-
*新井 愛那枚田 邦宏
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抄録

これまで屋久島・山岳地域では利用者の集中が問題視されてきた。本研究では、最も利用者が集中していると言われている縄文杉登山ルートを対象にして、利用者の利用密度に対する反応(混雑感)と利用満足度の内容を明らかにすることを目的としている。調査は、平成26年10月24日~10月27日、10月31日~11月2日の計7日間、荒川登山口において行った。アンケート調査期間の総利用者数は1919人、内646人から回答を得た。アンケート結果を見ると、1日の利用者数が多い日と少ない日とでは利用状況及び混雑感に顕著な差が見られた。以上のことより、一定の人数を超えると利用者に混雑意識が生じる割合が高くなることが明らかになった。また、1日あたりの利用者数が約600人以下の利用状況下では利用目的に対する満足度は比較的高く、混雑感の満足度への影響はみられなかった。満足度に混雑感が影響しない要因として、ガイドの同行、利用者の行動の分散が関係していることが分かった。

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