日本森林学会大会発表データベース
第126回日本森林学会大会
セッションID: T22-11
会議情報

持続可能な社会の実現に向けた森林教育
都道府県が運営する森林レクリエーション施設の現状と課題-北海道道民の森の小学校利用を事例として-
*水野 明洋
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

本研究では道が運営する森林レクリエーション施設、道民の森の現状を把握するとともにその課題について考察する。道は道民の森の利用者数が減少していることやその施設の老朽化が見られていることから、今後の在り方を検討している。現地での一般利用者に対する聞き取り調査の結果、現在の一般利用者は宿泊や炊事施設などの施設利用(ハード利用)に重きを置いており、自然環境を楽しんだり、自然資源を利用した活動を行ったりすること(ソフト利用)には重きを置いていなかった。一方で、ソフト利用に分類される「ワンダースクール」(以下、WS)と呼ばれる環境教育活動を利用する小学校数は増加していた。WSを利用する小学校の担当者および児童は「他の宿泊学習施設とは異なり、ありのままの自然の中で活動を行える」としてWSを高く評価していた。道民の森は、老朽化によって利用が困難になる可能性がある、ハード面に頼った運営を行っている部分に課題を抱えている。その中でWSの活動は、道民の森に存在する自然資源が、活用方法によって利用者数を増やす潜在能力を依然として持っており、宿泊学習以外の利用拡大を図るうえでも、参考にすべき示唆が含まれていると言える。

著者関連情報
© 2015 日本森林学会
前の記事 次の記事
feedback
Top