日本森林学会大会発表データベース
第126回日本森林学会大会
セッションID: T24-03
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森林環境の持つ保健休養機能の基礎的研究と応用研究
大阪服部緑地を活用した傾聴散策カウンセリングの取り組み
*竹内 啓恵長井 聡里川畑 真理子上原 巌
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抄録

森林における保健休養についての調査事例は近年増えてきたものの、働く女性に特化した調査研究はいまだに少ない。そこで本研究では、大阪府内の民間企業に勤務する女性被験者(50代)を対象に、森林療法を基礎とした傾聴散策カウンセリングの事例研究(月1度、1時間、府営服部緑地を散策しながら適宜、傾聴を行う形式)に取り組んだ。効果の尺度には、生理的なストレス反応の測定、気分評価(POMS)を用い、同時に被験者の表情、態度、話の内容の変化を観察し、記録した。自然環境の対照として職場環境においても生理的なストレス反応の測定と気分評価を、また傾聴散策カウンセリングの対照として街中散策と室内での傾聴を行った。その結果、被験者の気分評価は、職場や府営服部緑地において「緊張-不安」と「混乱」が高く、「活力」が低い状態であることが示され(主成分分析による)、気分評価の差異は特にはみられなかった。しかし室内における傾聴後、「話をすることでストレス発散にはなるものの、何かが足りなく感じ、リフレッシュ感がなかった」と被験者はコメントをし、被験者にとっての傾聴散策カウンセリングの意義はあったことが示唆された。

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© 2015 日本森林学会
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