日本森林学会大会発表データベース
第126回日本森林学会大会
セッションID: T24-04
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森林環境の持つ保健休養機能の基礎的研究と応用研究
森林散策頻度と日常の睡眠充足感との関連:地域差の検討-北海道八雲町
*森田 えみ鈴木 康司浜島 信之
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抄録

【目的】不良な睡眠はうつや生活習慣病の危険因子であるため、十分な睡眠を取ることは疾病予防のためには重要である。森林浴を1回した場合、当夜の睡眠が改善され、都市域の静岡地区では、森林散策が多い群ほど睡眠不足感が低いことが報告されている。一方で、森林散策の効果は地域差があることも示唆されているため、本研究では農漁村部である北海道八雲町にて、森林散策頻度と日常の睡眠充足感との関連を検討した。
【方法】解析対象は住民ドッグ受診者(377人、平均年齢59.0 ± 7.2歳、35~69歳)とし、自記式質問紙にて評価した。従属変数を睡眠充足感、独立変数を年齢、性別、睡眠時間、飲酒、喫煙、BMI、森林散策頻度として、ロジスティック回帰分析を行った。
【結果及び考察】年齢調整後の平均睡眠時間は、森林散策頻度が週1回以上は6.8時間、月2~3回は7.4時間、月1回は7.0時間、年数回以下は6.7時間で、年数回以下の群に比べ月2~3回の群は有意に睡眠時間が長かった。睡眠が十分と思う割合については、森林散策頻度の調整オッズ比は有意ではなかった。北海道八雲町より静岡地区の方が効果は大きく、睡眠に関する効果も地域差があることが示唆された。

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