日本森林学会大会発表データベース
第126回日本森林学会大会
セッションID: T25-05
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森林環境のモニタリングと持続可能な森林経営
再生可能エネルギーの固定価格買取制度下における売電価格を考慮した間伐の検討
*辻 周真山本 博一寺田 徹
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抄録

近年間伐の遅れた人工林が増加しており、森林の持つ水源涵養、土壌保持の能力の低下が問題となっている。そのような中、2012年より再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)が始まった。この制度では間伐材による電気には比較的高価な価格が設定されており、間伐材がエネルギー源として高価で買い取られる事が期待される。そこで、この制度による買い取りが、無間伐林分に対して利用間伐を進めるインセンティブとなりうるか検討することを目的とした。間伐木の集材コストは林分の林道からの距離によって異なるため、収益評価を行えば、利用間伐をした際に林道からの距離によって①木材収入のみで利益の出る林分、②木材収入にFIT制度下での買い取りを加えて利益の出る林分、 ③利益の出ない林分、に分類することが出来る。この際②の林分においては、FIT制度の導入によって新たに間伐が進む可能性があると考えられる。この評価のために、無間伐人工林の直径予測法の検討を行った。また、間伐木から丸太を取った残りをエネルギー利用可能な資材として、無間伐林を間伐した際に得られる丸太材積とエネルギー利用可能な材積を求め、それらを販売して得られる収入を求めた。

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© 2015 日本森林学会
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