日本森林学会大会発表データベース
第126回日本森林学会大会
セッションID: F06
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中国半乾燥地のJuniperus sabinaの乾燥ストレス下における樹液流の変動
*三木 直子佐藤 佳奈子青木 万実楊 霊麗松尾 奈緒子
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抄録

中国の半乾燥地に生育するJuniperus sabinaは匍匐型の生活形を有するヒノキ科の常緑針葉樹である。匍匐枝から不定根を出し、匍匐枝を四方に伸ばしてパッチを拡大する。主に不定根は土壌表層に分布するのに対して、主根は土壌深層の地下水の影響を受ける層まで分布することから、降雨に関連した異なる土壌層間の水分の不均一性に伴い、主根そして不定根を介した水の移動(Hydraulic redistribution)が生じている可能性が示唆されてきた。今回はそのうち、降雨後の乾燥の進行に伴う土壌深層から土壌表層への水の移動(Hydraulic lift)について、実際にその存在を確認するために、ポット苗木4個体を用いて土壌水分の操作実験を行った。主根側は灌水を継続し、不定根側の灌水のみ停止した。乾燥がある程度進行した段階で、主根部において重水を1週間灌水し、不定根および不定根部側の土壌から重水が検出されるかを水の酸素安定同位体比の分析により確認した。また、実験期間中を通して、匍匐枝上の主根と不定根間(枝_基部)および不定根より先端側 (枝_先端) において樹液流速度を測定した。今回はこれらの結果について発表する。

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