航空機LiDARによるスギ林の材積推定手法の開発と高度化を目的として、秋田県北部に調査地を設定し、2013年10月に平米5点以上の点密度で航空機LiDAR計測と、地上調査を実施した。LiDARによる材積の林分推定法には、空間体積法(LiDAR林冠高の平均)とNaesset(2002)法があり、それぞれの誤差の標準偏差を比較した。
空間体積法では、空間体積(LiDAR林冠高の平均)と林分材積との回帰式に2種類あり、誤差の標準偏差は原点を通る線形回帰で122、べき乗式で74.0であった。一方で、Naesset法では、多くのLiDAR指数を算出し、林分材積に対して対数重回帰式を算出した。この結果、誤差の標準偏差は61.1であり、空間体積法のべき乗式より小さかった。しかし、林分材積とLiDAR指数の決定係数を計算すると、LiDAR指数の平均(空間体積)が最も決定係数が大きかった。また、Naesset法が論文ごとに回帰式が全く異なるのに対して、空間体積法は過去の論文とも比較が容易であり、汎用性が高いと評価した。