日本森林学会大会発表データベース
第127回日本森林学会大会
セッションID: C2
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学術講演集原稿
全天球写真を用いた傾斜地におけるデジタル定角測定法の検討
*新田 一也村上 良平吉田 城治矢田 豊
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抄録

 森林調査の効率化のため、地上レーザスキャナやUAVを活用する手法などが研究されているが、林内写真の解析による計測も森林計測の有力な手法になり得ると考えている。林内写真による計測は、(1)計測作業がカメラによる撮影だけと容易である(2)計測用の画像がそのまま記録として活用できる などの長所がある。 「円空」は林内を魚眼レンズで撮影した写真に対し、デジタル定角測定法(画像処理によるビッターリッヒ法)を実行するソフトである。これまでの検証で、平坦地ではビッターリッヒ法と同程度の精度が得られているが、傾斜地では平坦地より精度が落ちることが分かっている。 本研究では、傾斜地でも精度よく胸高断面積合計を推定できるよう「円空」を改良し、また、複数の断面積定数を利用した精度向上アルゴリズム(矢田 2010)を組み込んだ。解析にはRICOHの全天球カメラ「THETA S」で撮影した全天球写真を使用した。撮影時にTHETA本体に記録される傾斜角を使用し、傾斜に応じた全天球写真の展開と補正を行うアプローチをとった。検証は石川県の県有林の傾斜地、平坦地で撮影した画像を使用し、実測値等と比較・検討した。

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