日本森林学会大会発表データベース
第127回日本森林学会大会
セッションID: P2-125
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学術講演集原稿
草地からの再生林における樹木種の多様性と鳥散布型樹木の分布
*三谷 絵理子大住 克博
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キーワード: 再生林, 鳥散布型樹木, 草地
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抄録
放棄された火入れ草地の森林の回復過程における鳥散布型樹木の役割を明らかにするため、岡山県真庭市蒜山地域において再生林の林分構造の調査を行った。また、鳥類による草地への種子散布の可能性を検討するため、維持管理されている草地においてシードトラップによる糞の捕捉と、飛来する鳥類の観察を行った。調査の結果から、再生林内の残存孤立木周辺には鳥散布型樹木が集中して更新する傾向が認められた。しかし、鳥散布型樹木は高木種であっても低木層にとどまり、再生林の林冠構成種にはなっていなかった。シードトラップからはヤマザクラなどの種子が採取され、それらはヒヨドリなどの鳥類によって散布された可能性が示唆された。これらのことから、草地内の孤立木は鳥類による種子散布を促進し、草地からの再生林の種多様性に影響を与えていると考えられた。
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© 2016 日本森林学会
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