近年、丸太(原木)は、年間を通じて安定的に供給することが求められている。そのため、素材生産(伐採・搬出)が、従来回避していた伐倒丸太に被害を与える穿孔性害虫(以下、穿孔虫)が多発する時期にも実施されるようになった。穿孔虫の被害を受けた丸太は安価で取引され、木材市況を低迷させる要因の一つとなっていることから、防除対策が必要となっている。そこで、防除対策を検討する上の基礎資料として、2014年3月からスギ立木を毎月伐採し、山土場1箇所と原木市場3箇所において、玉切った丸太と衝突板トラップを設置し、飛翔している穿孔虫や丸太を加害している穿孔虫、加害時期を調査している。その結果(2014年3月~2015年2月)、飛翔している穿孔虫については、主にサクキクイムシ、ハンノキキクイムシ、ヒバノキクイムシ、ヒメスギカミキリが確認され、山土場では5~6月、原木市場では3~5月に多く発生していた。また、丸太を加害している穿孔虫については、主にハンノキキクイムシ、トドマツオオキクイムシ、ヒメスギカミキリが確認され、山土場では6~8月、原木市場では4~6月に多く加害されていた。