日本森林学会大会発表データベース
第127回日本森林学会大会
セッションID: S2-6
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学術講演集原稿
大学の森で行われる商業活動としてのガイドツアーを考える−京都大学芦生研究林の事例−
*坂野上 なお
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抄録

 京都大学芦生研究林(京都府南丹市美山町)は,大学演習林でありながらハイキングや登山を目的とする一般市民の入林が推定で年間約1万人以上あり,うち3千人程度は,地元団体が実施するガイドツアーの利用者である。ガイドツアーは,上限20名程度の団体客を1名ないし2名のガイドが案内するもので,地元3団体と芦生研究林との間で覚書を交わし,各種の条件を定めたうえで許可している。このほか地元NPO法人等が企画する野外教育プログラムの一環としての研究林内での活動も許可しており,芦生研究林内ではさまざまな団体による野外教育プログラムが,「商業活動」として実施されている(一部は非営利団体の活動)。芦生研究林を含む南丹市美山町一帯は,2015年度内に国定公園の指定を受ける見込みであり,ハイカーらの利用増大が予想される。研究林では,ガイドツアーのプログラムに,研究林の学術的な価値や研究成果を組み入れることによりツアーの価値をより高め,地元経済への貢献とともに,大学の研究成果の発信に活用するなどの新たな取り組みを模索し,地元団体との協議を行っているところであり,こうした現状と課題を報告する。

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