日本森林学会大会発表データベース
第128回日本森林学会大会
セッションID: F8
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学術講演集原稿
Eucalyptus camaldulensisの加水分解性タンニン生合成に関わる糖転移酵素の同定
*田原 恒Juliane Mittasch西口 満Silke KuhfahlAndrej FrolovCarsten Milkowski
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抄録

演者らは、フトモモ科樹木Eucalyptus camaldulensisの加水分解性タンニンにアルミニウム無毒化という新しい機能があることを見出している。本研究は、加水分解性タンニン生合成の第一段階の反応であるβ-グルコガリン合成を触媒するUDP-糖転移酵素(UDP-glycosyltransferase, UGT)の遺伝子をE. camaldulensisで同定することを目的とした。E. camaldulensisの根から目的酵素の候補cDNAを7種類単離し(UGT84A25a、-A25b、-A26a、-A26b、-J3、-J4、-J5)、N末端にHisタグを融合した組換えタンパク質として大腸菌で異種発現させた。UGT84Aサブファミリーに属する4種の組換えタンパク質は、UDP-グルコースと没食子酸を基質としてβ-グルコガリンを合成する活性を示した。一方、UGT84Jサブファミリーに分類された3種の組換えタンパク質では、活性を検出できなかった。これらの結果から、E. camaldulensisではUGT84Aサブファミリーに属する糖転移酵素がβ-グルコガリン合成を担っていると考えられた。

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