日本森林学会大会発表データベース
第128回日本森林学会大会
セッションID: B1
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学術講演集原稿
本庄早稲田の森を対象とした景観機能評価に関する研究 〜SD法による景観印象評価を中心として〜
*康 尼納富 信
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抄録

かつて食料や木材の供給源であった里山は、産業構造の変化、住民の高齢化などにより利用が減少しつつある。その結果、伝統技術の伝承に対する懸念だけでなく、水土保全等森林の公益的機能が充分に発揮できなくなり、長期的にはさらに荒廃することが危惧されている。里山の利用を促進するためには、里山における森林の多面的機能を定量化し、それを総合的な価値として示し、世間に幅広く理解を得て向上させることが重要となる。 そこで本研究では、多面的機能の中の“文化機能”に含まれる“景観・風致”を中心に、埼玉県本庄市にある里山地域“本庄早稲田の杜”を対象として機能評価を実施し、景観と利用者の嗜好との関係を明らかにすることを目的とする。 対象地の特徴に応じて、5つの森林景観を構成する物理要素(下草高、道路幅、樹幹形、緑量、立木密度)を定め、その要素割合が異なる林内の6地点における景観写真に対してフォトモンタージュ法による特定の物理要素を改変し、それらについて好みと9種の形容詞対で5段階SD法による印象評価をアンケート法により実施した。本報では、この印象評価と森林の物理要素との関係の考察について報告する。

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