主催: 一般社団法人日本森林学会
会議名: 第128回日本森林学会大会
回次: 128
開催地: 鹿児島県鹿児島市(主に鹿児島大学郡元キャンパス)
開催日: 2017/03/26 - 2017/03/29
ブラジルの半乾燥熱帯において、緑化目的で導入されたマメ科のProsopis julifloraは侵略性が高く、在来種のMimosa hostilisやMimosa verrucosaとの競合が問題となっている。これら3種のポット苗の水分条件を3段階(対照区:-0.005MPa, 乾燥処理区:-0.01MPa, -0.1MPa)で制御して、水分ストレスに対する順応機構の違いを調べた。その結果、P. julifloraは乾燥処理区において、耐乾性の指標である吸水限界時の水ポテンシャル(πtlp)がMimosa属2種よりも有意に低い値を示したため、最も高い耐乾性を持つと思われた。3樹種の対照区に対する相対樹高は、耐乾性が最も高かったP. julifloraがMimosa属2種よりも高く、乾燥ストレス下でも成長量を維持した。さらに、実験期間における1ヶ月間の蒸散量もP. julifloraの方がMimosa属2種よりも低かった。これらの結果から、P. julifloraは高い乾燥耐性と低い水消費により、乾燥環境下における在来種との競合に有利であることが示唆された。