日本森林学会大会発表データベース
第129回日本森林学会大会
セッションID: H10
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学術講演集原稿
天然林大径木のポリゴン年輪解析
*石田 仁中野 雄太中山 慎太郎北村 あかり
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抄録

近年、年輪の形状をポリゴンとして記録し、樹木の成長を年輪面積によって評価しようとする研究が報告されている。しかし、こうしたポリゴン年輪解析の試みは若齢の針葉樹に限定されており、天然林大径木を調査対象とした研究事例はほとんど無かった。本研究では、岐阜大学位山演習林で採取されたミズナラ(471年生、地際部、直径123cm)、ヒノキ(227年生、樹高26.2m、胸高直径78cm、地上高0.65~19.9mの8枚)、サワラ(約260年、樹高30.13m、地上高0.3~25mの14枚、枝2枚)各1個体 の円板について、デジタル一眼レフで撮影されたモザイク写真もしくはフラットヘッドのスキャナー画像、GISソフトと年輪補完モデルを用い、全年輪形状のポリゴン座標を記録した。年輪補間モデルは有効であったが、手入力した年輪ポリゴンの間隔が大きい場合や年輪形状が複雑な場合はずれが大きく修正を要した。同一個体内から採取された円板の年輪面積は、同調的に変化していた。いずれの個体も、サイズの大型化に伴い、成長量の「急減→回復→急減」の規則的な変動パターンが顕著となった。ヒノキの変動周期は約4年で、木曽森林管理署の豊凶調査で得られた豊作周期とほぼ一致していた。

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