樹木は土壌中の水分を根から吸収し蒸散によって葉から大気へ放出する。土壌水分は主に雨によって供給される。本発表は,①1週間あたりの土壌水分変化量vs降水量と樹木蒸散量の差,特に,②無降雨期間あたりの土壌水分減少量vs樹木蒸散量,さらに,③土壌水分減少量に対する層別貢献割合vs細根の垂直分布について,これらの関係を検討することを目的とする。茨城県かすみがうら市の約39年生スギ人工林で,林外雨,土壌体積含水率(10,40,80 cm深度×6地点),および樹液流速度(10個体,平均胸高直径22.6 cm)を測定した。2017年5月1日から8月31日に得られたデータを用い,1週間あたりまたは無降雨期間あたりの土壌水分変化量と林分蒸散量を計算した。蒸散量の計算には他のスギ林で調整された辺材面積推定式を利用した。その結果,上記の①と②はそれぞれ非常に強い直線関係にあること,③についても両者はよく対応していることがわかった。したがって,本スギ林における土壌水分の減少程度は,樹木蒸散量と細根分布によってかなり説明されると考えられた。今後は,降雨遮断した際にこれらの関係性がどう変化するかに着目したい。