滋賀県野洲川流域を対象として、2015年2月から3月にかけて、主観的幸福度および森林を含む自然との関係性についてのアンケート調査を実施した。郵送による配布数は34,691件、回収数は3,220件、回収率は9.3%であった。主観的幸福度が土地利用および生活利便施設の立地、社会関係資本、森林との関わり、および幸福度研究で通常検討される人口学的変数からどのように影響を受けるのか、GISと多変量解析の手法を用いて分析を行った。分析の結果、山を見たときに感ずる主観的幸福度(森林幸福度)は、森林率との相関は無く、森林との具体的関わりを示す変数と正の相関があった。とくに、「生きもの・植物との触れあい」の影響が大きかった。「山での仕事」は、平均的には相当な正の影響があるが、ばらつきが大きく個人差があると考えられる。森林との関わりによる森林幸福度、全般的幸福度への影響は、居住地域によって異なる。森林が遠くにある地域住民にとって、森林との関わりが森林幸福度を増大させる効果はより大きい。一方で、森林に近い住民の全般的幸福度は生き物との触れあいといった具体的関わりによって、より顕著に増大する。