主催: 一般社団法人日本森林学会
会議名: 第129回日本森林学会大会
回次: 129
開催地: 高知県高知市(主に高知大学朝倉キャンパス; 3/26は高知県立県民文化ホール)
開催日: 2018/03/26 - 2018/03/29
ホエールウォッチングは地域に経済的な利益を生み出す一方で、ウォッチング船が鯨類に与える影響が懸念されるために、現在規制の動きが大きくなっている。しかし規制を行う場合、ウォッチングに対する観光客の満足度は下がりかねない。満足度の低下は観光客の減少を招き、ウォッチングが行われている地域に経済的な損失を生む可能性がある。よって本研究では、規制項目の一つである船と鯨類の最接近距離について着目し、船と鯨類の最接近距離が変化したときの観光客の満足度の変化を経済的に評価する。さらに、ウォッチングに対する満足度をウォッチングの構成要素ごとに評価することで、鯨類との距離をとる場合に、何を代替的なサービスとして提供できるか明らかにすることを試みた。2017年7、8月に和歌山県南部でホエールウォッチングに参加した観光客に対して選択型実験を用いたアンケート調査を行った。分析の結果、観光客は鯨類との距離を非常に重視しており、1m近づくために約454円支払ってもよいと考えていることがわかった。また、観光客の代替的なサービスに対する評価は低い傾向にあり、鯨類との距離を他のサービスで代替することは難しいことがわかった。