主催: 一般社団法人日本森林学会
会議名: 第129回日本森林学会大会
回次: 129
開催地: 高知県高知市(主に高知大学朝倉キャンパス; 3/26は高知県立県民文化ホール)
開催日: 2018/03/26 - 2018/03/29
間伐後の樹木成長や林内環境を知る際に、樹冠投影図は有効な情報となる。また、複層林化や針広混交林化においても活用が期待できる。近年、無人航空機(Unmanned aerial vehicle, UAV)の普及によって、デジタル画像処理による樹冠投影図の作成が可能になってきた。本研究では、UAVで取得された画像から人工林の樹冠投影図を作成し、その精度評価と作成時の課題の整理を行う。UAVによる動画の撮影は高知大学農林海洋科学部附属演習林のヒノキ林で行った。この動画から一秒間隔で静止画像を抽出し、写真測量ソフトを用いて数値表層モデル(DSM)を作成した。このDSMから局所最大フィルタ法を用いて樹木梢端の位置を抽出し、領域拡張法によって各樹木梢端に属する樹冠の領域を決定した。一方で、現地調査によって精度評価用の樹冠投影図を作成した。間伐区と無間伐区にそれぞれ10m×10mの調査区を設け、トータルステーションとGNSSによって樹木位置を測量した。同時に、レーザー距離計を用いて8方向の樹冠半径を計測し、それらから樹冠投影図を作成した。発表では、作成された樹冠投影図の精度評価と作成工程における各手法の課題を、間伐区・無間伐区の違いとともに説明する。