日本森林学会大会発表データベース
第129回日本森林学会大会
セッションID: P1-079
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学術講演集原稿
シラカンバ菌根苗の促成育生法について
*北村 啓玉井 裕東 智則宜寿次 盛生宮本 敏澄
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抄録

シラカンバ(Betula platyhylla var. japonica)は北海道に自生する早生樹であり、種々の外生菌根菌との共生が知られる。菌根性食用キノコの栽培化へ向けた菌根合成苗の研究はまだ緒に就いたばかりであり、苗の大型化や育苗期間の短縮など種々の課題を抱えた状態である。そこで本研究では、早生樹シラカンバを用いて菌根合成苗の短期育成方法を検討した。シラカンバの種子を低温湿層処理後、乾熱滅菌した蝦夷砂上に播種して約1か月間育成し、本葉が展開したものを水耕栽培器で1か月間育成した。その後マツタケ菌を担持した培土中で46週間育成し、4週間毎に生育状況を観察した。その結果、12週目までは、根系全体に根毛が見られ菌根形成は確認されなかったが、16-20週目で徐々に根毛の消失及び菌根の形成が始まり、24週目には発達した菌根が確認された。菌根菌接種後46週目には苗高約65cmに達した。以上のことから、早生樹と水耕栽培を組合せることにより、短期間で野外植栽可能な大型菌根合成苗を育成することが可能となると考えられた。

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