日本森林学会大会発表データベース
第129回日本森林学会大会
セッションID: D5
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学術講演集原稿
スギ人工林における間伐方法の違いによる肥大成長の違い
*田中 邦宏齋藤 和彦田中 真哉近口 貞介楢山 真司
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抄録

 スギ一斉人工林を対象に、下層間伐と上層間伐の林分成長について比較検討した。 調査地は兵庫県宍粟市に位置し、植栽時の立木本数密度は10,000本/haであった。37年生時に下層間伐区(下層区)(0.63ha)と上層間伐区(上層区)(0.76ha)を設定した。以後、約5年ごとに112年生まで合計12回、胸高直径の毎木調査を行った。 37年生時と112年生時の林分統計量は以下の通りである。立木本数密度は下層区で1,000→380本/ha、上層区で1,000→500本/haであった。平均胸高直径は下層区で19→42cm、上層区で18→30cmであった。胸高断面積合計は下層区で33→58m2/ha、上層区で29→38m2/haであった。胸高直径成長率は、37年生時と103年生時とでは下層区で1.56→0.59%、上層区で3.34→1.40%と全体的に上層区の成長率が下層区を上回っていた。しかし、胸高断面積合計では双方の差は小さかった。総成長量は下層区で33→89m2/ha、上層区で28→71m2/haであった。調査期間を通じた総成長量の推移を比較すると、上層区は下層区の約90%となっていた。これらの結果をもとに、双方の間伐の得失について考察した。

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