主催: 一般社団法人日本森林学会
会議名: 第129回日本森林学会大会
回次: 129
開催地: 高知県高知市(主に高知大学朝倉キャンパス; 3/26は高知県立県民文化ホール)
開催日: 2018/03/26 - 2018/03/29
土壌を苦労してほぐし洗浄し、姿が露わになった根系。この根系の分析解析した測定値は、一体どのような科学的意味を持つのであろうか?様々な場所で様々な測定項目を分析できれば、測定値の意味は考察しやすいのかもしれないが、根研究の前処理および分析は多大な時間と繊細さを要するため、限られた場所の限られた測定項目を分析するのがやっとで、結果の解釈に苦労することは多い。少なくとも私はそうである。一方、先行研究との比較を試みると、地域の偏りや測定手法の違い等から、単純に比較するのは難しいと感じている。そんな時、メタ解析論文やデータベースの活用は有効である。近年、多様な種のデータを総合的に集約し、スケール横断的な知見融合の仕組みを構築する試みとして、植物形質を扱ったTRY Plant Trait Databaseや細根を対象としたFine-Root Ecology Database等が立ち上がっている。これらのデータベースを確認し、またそのデータベース情報を用いて発表された論文を読むことにより、採取した根の測定項目の立ち位置や測定値の科学的意味を理解することが容易になるだろう。本発表では、いち根っこ実地研究者が考えるデータベースとの付き合い方を紹介する。