主催: 一般社団法人日本森林学会
会議名: 第130回日本森林学会大会
回次: 130
開催地: 新潟県新潟市 新潟コンベンションセンター「朱鷺メッセ」
開催日: 2019/03/20 - 2019/03/23
本研究は土壌の撥水性に着目し、森林において撥水性土壌が形成されるメカニズムの解明を目的とした。隣接して植林されたスギ林及びヒノキ林土壌の撥水性について調査を行った。土壌試料の撥水性は、試料表面に滴下したエタノール溶液の浸透時間の違いで撥水性を評価するMED試験を用いて評価した。測定した結果、ヒノキ林土壌の撥水性強度はスギ林土壌よりも有意に高い値を示した。また粒径別にふるい分けした土壌試料の撥水性に有意な差は確認されなかったが、粉砕した土壌は撥水性が有意に低下した。土壌に含まれる成分と撥水性の関係について調査するために、抽出操作にて分離された抽出物の撥水性を測定した。土壌中の成分は有機溶媒を用いた振とう抽出で分離した。抽出液を石英砂に添加した後、乾燥させた試料をMED試験に供した結果、撥水性を示すことが確認された。以上の結果から植林樹種の違いが土壌の撥水性に影響を与えることや、有機溶媒によって抽出される成分が撥水性の原因物質である可能性が示唆された。