日本森林学会大会発表データベース
第130回日本森林学会大会
セッションID: B15
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学術講演集原稿
道の駅の活用による鳴子温泉郷の活性化に関する研究
*山本 清龍
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抄録

あ・ら・伊達な道の駅(以下,道の駅)は宮城県大崎市の国道47号に立地し,全国の道の駅の中でも売上が上位に位置づけられ優良事例とされる。一方,鳴子,東鳴子,川渡温泉,中山平,鬼首の5つの温泉地から成る鳴子温泉郷は,道の駅からわずか7kmの場所に立地し近接する。しかし,奥州三名湯にも数えられる歴史的温泉郷では,宿泊者と日帰り観光者を合わせた年間入込客数が1991年頃の約400万人をピークに減少し,現在は約200万人前後で推移するなど再活性化が課題である。そこで本研究では,道の駅における温泉入浴無料クーポン配布による鳴子温泉郷への誘客の可能性を明らかにすることを目的とした。紅葉期の2018年11月1,4日(木,日)に道の駅利用者に対して無作為に調査への協力を依頼し,面接式アンケートと500円相当の無料温泉入浴クーポンの配布を行い,旅行者の行動の変更意向を把握した。現地では375人に協力依頼し,拒否率47%,200人から有効回答を得た。結果,26%(52人)の回答者の旅行目的地は鳴子温泉郷ではなく,このうち22人(12%)はクーポンを利用して調査日当日以降に温泉郷に足を運ぶと回答したことから,鳴子温泉郷への誘客の可能性を実証できた。

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