主催: 一般社団法人日本森林学会
会議名: 第130回日本森林学会大会
回次: 130
開催地: 新潟県新潟市 新潟コンベンションセンター「朱鷺メッセ」
開催日: 2019/03/20 - 2019/03/23
グイマツとカラマツの交雑種であるグイマツ雑種F1は,野鼠害抵抗性や初期成長の早さに優れている。このため、伐期を迎えるカラマツ人工林の再造林樹種として期待が寄せられている。一方、国内の人工林では主伐・間伐における低コスト化や生産性向上が求められ、特に林業機械の活用が見込まれる中、重機による踏圧の影響が懸念される。しかし踏圧の影響を考慮した再造林の指針や、その検討材料になりうる先行研究の成果は非常に限られている。本研究では、札幌研究林実験苗畑に踏圧土壌試験地を設定し、植栽した2年生グイマツ雑種F1苗木の応答を追跡した。また、近年増加している窒素沈着が土壌を介して苗木に与える影響にも着目し、踏圧の処理に加え、2段階の窒素付加を設定した。各処理の効果について、硬度や無機態窒素などの土壌環境、成長量やLMA、光合成速度といった地上部の応答、根系形態や共生する外生菌根菌の種組成などの地下部の応答から評価した。今回は植栽当年の応答を報告し今後の研究の指針を得たい。