日本森林学会大会発表データベース
第131回日本森林学会大会
セッションID: J21
会議情報

学術講演集原稿
振動観測、引き倒し試験、生態情報からみる立木の耐風性
*上村 佳奈南光 一樹上野 真義松本 麻子
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

日本は台風の常襲国であり、特に大型台風の上陸、接近に伴う強風によって森林内の立木は大規模に破壊されてきた。しかし、何故風によって立木が倒伏または破損するのか、そのメカニズムは十分解明されていない。本研究では2017年から2019年にかけて、森林総合研究所千代田試験地(かすみがうら市)の遺伝的に類似しているスギ試験地に、無間伐プロット(3000 tree/ha)と間伐プロット(1500 tree/ha)設置した。プロット内では歪ゲージと慣性計測装置によって立木振動の観測をした。プロット内外には風速計を設置し風向・風速を観測した。2019年11月には無間伐プロット内において立木引き倒し試験を実施し、根元の最大回転モーメントの算出および形状を計測した。これらの力学、生態情報から立木の耐風性の解明を試みる。これまでの解析では、2018年台風24号の上陸に伴い、樹冠上の水平風速が2m/s以下の時点では、立木の振動傾向はそれぞれのプロット内全体で有意に類似していたが、それ以上になると振動傾向に差異が確認された。ただし水平風速が15m/s以上になると、間伐プロットでは類似の振動傾向を持つ立木が再び確認された。

著者関連情報
© 2020 日本森林学会
前の記事 次の記事
feedback
Top