日本森林学会大会発表データベース
第131回日本森林学会大会
セッションID: K10
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学術講演集原稿
地下足袋とチェーンソーブーツの歩き方の比較
*小山 敢
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抄録

チェーンソーによる切創事故の約6割が下肢で、約2割が足首・甲・指など足で発生している。チェーンソーズボン、チャップスといった切創防護装備の着用が令和元年8月1日から義務化されたため、下肢の切創事故は今後減少することが予想される。しかし、足の切創防護機能があるチェーンソーブーツは、その着用が努力義務であることや、林業現場で愛用されている地下足袋と比べて、斜面で歩きにくいという理由で普及が進んでいない。そこで、チェーンソーブーツの普及に繋げるため、地下足袋とチェーンソーブーツの歩き方の違いを調査すると共に、チェーンソーブーツに適した歩き方の指導効果を検討した。その結果、①地下足袋の愛用者はつま先で踏ん張る歩き方が多いが、チェーンソーブーツの愛用者は靴底を踵まで地面につけた登山技術の歩き方になっていること、②地下足袋の愛用者にチェーンソーブーツを履いてもらい、靴底のエッジを効かせる登山技術の歩き方を指導すると、急斜面でバランスを崩し地面に手をつく歩数が指導後に減少することがわかった。以上より、チェーンソーブーツの普及のためには、登山技術の歩き方を作業員に指導する必要があると思われた。

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