日本森林学会大会発表データベース
第131回日本森林学会大会
セッションID: T1-10
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学術講演集原稿
マルチドメイン問題としての中山間地への再エネ導入
*大場 真戸川 卓哉中村 省吾
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抄録

中山間地におけるエネルギー目的のバイオマス利活用促進には、施業と燃料生産・配送、エネルギー生産と消費という流れの調整と共に、社会システムの課題解決として捉え直す必要があることを実例を踏まえ指摘する。かつての主要な産業が森林に関わるような地域では、人口減少や高齢化に起因する人的資源や地域経済の衰退という一律の課題を抱えている。歴史的文化的背景を踏まえつつ、豊かな森林とその恵みを受ける地域を創り出すためには、新しい潮流を取り入れる必要がある。国連の持続的開発目標(SDGs)は、様々な主体(官民)と様々な分野(経済、社会、環境など)に渡るマルチセクターでの目標の解決を促している。国内での類似した取り組みとしては林野庁の「地域内エコシステム」や環境省の「地域循環共生圏」等が挙げられる。本報告ではケーススタディ地域での取り組みを説明した後に、地域が必要とする社会システム(インフラ)として、主体的に再生可能エネルギーシステムを導入し、マルチセクターで取り組む体制づくりが必要であることを指摘する。また、森林やエネルギーだけでなく様々なセクターにおける事業を緩く結びつける方策について検討する。

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