日本森林学会大会発表データベース
第131回日本森林学会大会
セッションID: P1-267
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学術講演集原稿
熱赤外線カメラ搭載UAVを用いた雪山遭難者の視認性試験
*大地 純平
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抄録

熱赤外線カメラは観測対象と周辺環境の温度差を感知し映像化する装置である。近年、UAV(Unmanned Aerial Vehicle:無人航空機)に熱赤外線カメラを搭載し、上空から地上を移動する野生動物の探索や遭難した登山者などを捜索する取り組みが行われ始めている。

本試験では雪山遭難者の捜索を想定して、遭難者の姿勢、待機場所、着衣などの状況によってどのように観測されるのかを調べた。

遭難者が雪面上にいる場合は、姿勢により感知面積の大小があっても、雪面との温度差が大きいため判別がしやすかった。一方で遭難者が立木の樹冠下やササなどの植生に埋もれている場合などは、遭難者と日光によって暖められた樹冠や植生との温度差が小さくなるため、温度分布が混ざり合って判別が難くなることが分かった。着衣についてはレスキューシート、アルミブランケットなど、アルミ処理した着衣を使用した場合、高い遮熱効果により熱赤外線カメラで感知できない場合があることが分かった。

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