日本森林学会大会発表データベース
第131回日本森林学会大会
セッションID: P2-102
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学術講演集原稿
衛星画像に含まれる影の三次元点群を用いた解析
*松岡 真如
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抄録

光学センサを用いた森林リモートセンシングでは、地形や樹冠による影が分光反射率に影響する。森林の状態を正確に把握するためには、太陽高度や地形によって変化する分光反射率から影の影響を除去することが望ましい。本研究の目的は、無人航空機のデータから作成した三次元点群モデルを用いて、衛星データに含まれる影の影響を定量化することである。現地調査では、土佐町森林組合の協力を得て、毛知田団地のスギ林分において無人航空機による動画の撮影、GNSSを用いた基準点測量、レベルによる水準測量を実施した。動画からSfMによって三次元点群モデルを作成した後、地上基準点の位置を用いて地上座標へと変換した。このモデルの各点に半径を設定して球に拡張した上で、衛星観測時の太陽位置に基づいて光線追跡を行い、衛星の各画素に含まれる影の割合をシミュレーションした。衛星データはSentinel-2/MSI(空間解像度10m)の2016年以降の時系列データを使用した。観測された分光反射率とシミュレーションされた影の割合を比較したところ、季節変化の小さい人工林ではほぼ線形の関係となった。一方、作業道の周辺では落葉広葉樹や草による季節変化の影響を大きく受けた。

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