主催: 一般社団法人日本森林学会
会議名: 第131回日本森林学会大会
回次: 131
開催地: 名古屋大学東山キャンパス全学教育棟・豊田講堂
開催日: 2020/03/27 - 2020/03/30
コンテナ苗生産において、出荷作業は培地作成(移植)と同様に大きな労務負担を要し、改善によって育苗経費を低コスト化することが可能である。生分解性不織布ポットはそのまま植栽されるものであるため、育苗容器からの苗木の抜き取りが不要であり、労務負担の大きな改善が期待できる。一方で、根鉢側面が生分解性不織布によって覆われたまま植栽されることから、活着や成長への影響が懸念される。植栽後の野生動物による苗木被害は深刻であり、地域によってはシカだけではなくウサギへの対応も検討が必要である。ツリーシェルターは植栽区域全体を防除する防護柵とは異なり、単木の防除を行う資材であることから、シカに加えてウサギによる食害対策も可能である。一方でシェルターが幹を覆う高さまでは下枝が発達しないため、成長への影響が懸念される。本試験では生分解性不織布ポット苗に対して、JFA150コンテナによる育苗苗、ツリーシェルターに対して防護柵による防除を比較できる試験地を設置し、2017年1月に植栽されたスギ実生苗について、成長期末に樹高、直径、シカ被害の有無を3成長期調査した結果を報告する。