日本森林学会大会発表データベース
第132回日本森林学会大会
セッションID: P-024
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学術講演集原稿
技術士(森林部門)試験から見る高度専門資格に求められる森林科学の内容
*水井 英茉杉浦 克明井上 真理子
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抄録

森林科学を学べる大学でも改組が進められ,森林科学(旧林学)の学問体系は以前とは異なってきている。大学教育は,全国で画一的に行われるものではないが,森林科学としての体系的なまとまりや最低限の共通性は学問分野として重要である。そこで,本研究の目的は,大学教育で専門教育の内容を検討するために,森林系の資格試験の中でも高度な資格である技術士(森林部門)を対象に,試験内容の分析を行い,高等教育の森林科学に求められる内容を明らかにすることとした。方法は,技術士(森林部門)の2004年度から2020年度の過去問題を対象とし,森林・林業実務必携を参考に,試験内容の分類と整理を行った。その結果,1次試験では「山地防災と流域保全」,「基盤整備」に関する問題が多く,2次試験では「山地防災と流域保全」,「育林」の順に多く出題の傾向が見られたが,1次と2次試験ともに実務必携掲載の26項目のほぼ全ての分野の知識を必要としていた。よって,技術士試験では,森林科学(林産分野を含む)の知識が広範囲に求められており,大学の専門教育にも網羅的な構成が必要と考えられた。

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