日本森林学会大会発表データベース
第133回日本森林学会大会
セッションID: P-039
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学術講演集原稿
星の観察の森林体験学習への 活用可能性
*石橋 整司
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抄録

森林における体験学習を行う際に「星空観察」の活用を打診されることがある。星空観察とは文字通り「星空(星野)を観察すること」であり、基本的に肉眼で実施可能なため子どもを含む一般の人々にも参加しやすい活動といえる。一方、雲が出ている場合は実施できず、天候に左右されやすい森林における体験学習の中でももっとも天候の影響を受ける活動といっても過言ではない。そこで、実際の森林でどの程度の空が観察可能であり、また現地ではどの程度の確率で実施可能な天候に恵まれるのかを検討した。天候については地域や季節により晴天に恵まれる確率は大きく変わり、たとえば秩父地方では梅雨時の約25%から厳冬期の約80%まで差があること、特定の日を決めて実施しようとすると冬期であっても確率は40%程度に下がること等がわかった。また、樹木や崖など星空観察の妨げとなるものが森林には多くあり、隣接する森林との距離が十分とれない林地での星空観察は視野がかなり制約されることも問題点として挙げられた。さらに、長時間に及ぶ星空観察は集中力を保つことが難しいため専門家による解説などの工夫も必須と考えられた。

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