日本森林学会大会発表データベース
第133回日本森林学会大会
セッションID: P-140
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学術講演集原稿
超高密度トドマツ前生稚樹群の上木風倒後19年間の動態
*角田 悠生大野 泰之滝谷 美香山田 健四
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抄録

主伐面積が増加し造林を行う林業従事者が減少する中、主伐後の更新における前生稚樹の活用が期待されている。本研究は前生稚樹の生残における個体間競争の影響に着目し、上層木風倒後19年間(2002~2021年)にわたるトドマツ前生稚樹の成長過程から、対象個体の生存率が①周辺木の直径(胸高または根元)、②周辺木との距離、③対象個体の直径によって表される「周辺木一本一本から受ける競争効果(I)の和(NCI)」と「対象個体の直径から期待される単年成長量に対する実際の単年成長量の比(RG)」によって表されるとして統計モデルを構築した。その結果、推定された生存率は、あるNCI(tNCI)を閾値に急激に低下し、tNCIはRGに伴い上昇した。NCIに伴う生存率の低下強度とRGに伴うtNCIの上昇強度は2016~2021年の期間で他の期間よりも明確に大きかった。このことから、前生稚樹の生残はある時期を境に、NCIとRGによってより強く決定されることが示された。NCIを構成するIは、対象個体と周辺木の距離の増加に伴い急激に低下したが、対象個体の成長に伴ってその低下強度は減少した。また、Iは周辺木の直径が大きいほど上昇し、対象個体の直径が大きいほど低下した。

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