日本森林学会大会発表データベース
第133回日本森林学会大会
セッションID: P-390
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学術講演集原稿
北関東におけるカシノナガキクイムシの遺伝的変異
*飯塚 早紀小島 元路北島 博逢沢 峰昭
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抄録

北関東の栃木県と茨城県では、2020年に初めてナラ枯れ被害が確認された。これら2県で被害を起こしたカシノナガキクイムシ(以下カシナガ)個体群の由来について、隣接県からの自然拡大または人為的移入、遠方からの人為的移入、あるいは在来由来の可能性が考えられる。本研究は2県のカシナガについて遺伝解析を行い、先行研究の岡崎ら(2018)の結果と比較することで由来の検討を行った。ナラ枯れが発生している栃木県足利市、茨城県桜川市、つくば市、かすみがうら市および境町の5地域においてカシナガ試料を採集し、6つの核マイクロサテライトマーカーを用いて遺伝子型を決定し、遺伝構造と遺伝的多様性を調べた。その結果、5地域個体群は、岡崎ら(2018)において糸魚川静岡構造線より西側に位置した長野、静岡および岐阜個体群と近い系統であることがわかった。また、5地域個体群の遺伝的多様性は低くはなく、岡崎ら(2018)の他地域個体群と同程度であった。よって栃木・茨城県個体群は、糸魚川静岡構造線より西側から、おそらくここ数年の出来事でないが、自然拡大あるいは人為的移入によってもたらされた個体群に由来する可能性が示唆された。

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