日本森林学会大会発表データベース
第134回日本森林学会大会
セッションID: P-151
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学術講演集原稿
樽材への適性を考慮したミズナラ二次林における個体の育成方法
*仲谷 朗大崎 久司大野 泰之吉田 俊也
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抄録

樽用資材としてミズナラの需要が急増している。材がねじれている、あるいはチロースが未発達な個体は、材からの液漏れが発生することから樽材には不適とされている。従来、立木段階における樽材適性の判断は主に樹幹表面における樹皮の割れ傾斜の観察によっていたが、材とねじれとの関連性は未解明であった。また、チロースの発達については情報が少ない。本研究は、立木個体の外観的特徴や立地環境要因がそれらの発達に及ぼす影響を解明する。天然生二次林に面積7 haの調査地を設置し、毎木調査(胸高直径・樹幹の曲り・位置情報の記録・立木および樹幹表面の写真撮影)の後に伐倒し、高さ約2.5 mの位置から円盤を採取した。円盤から採取した髄を通る高さ3 cmの材サンプルを用いて、割裂法による繊維傾斜度(SGA)、および単位面積当たりのチロースを持つ道管の比率(TR)を計測した。立木および樹皮写真上で樹幹傾斜度、樹皮割れ傾斜度(BCA)を記録した。対象木の最大および平均SGAはそれぞれ8.1%と3.5%であり、平均BCA(2.7°)との関連性は不明瞭であった。また、TRは平均33.2%で、個体差が大きかった(0-90%)。変数間の関係を示す解析結果を提示する。

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