日本森林学会大会発表データベース
第134回日本森林学会大会
セッションID: S1-5
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学術講演集原稿
マツヘリカメムシの春の行動様式
*久米 篤北嶋 諒太郎松田 修松永 孝治原 亮太郎渡辺 敦史
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抄録

北米原産のマツヘリカメムシ(Leptoglossus occidentalis : WCSB)は、今世紀初頭から世界各地に急速に分布を拡大し、日本でも最近10年間で全国に分布を広げ、防除対策の検討に向けた生態特性の解明が必要となっている。WCSBは各種マツ類の花や球果に集まるが、可視光、赤外放射、およびモノテルペンなどの化学信号の組み合わせによって餌対象を探索していると考えられている。WCSBはより大きな球果を好むことも確認されているが、餌として種子を吸汁すると同時に、大きな球果上で体温上昇効果を得る可能性が検討されている。林木育種センター九州育種場のマツ採種園では、早春に、ほとんどのWCSBの越冬個体がクロマツの開花直前の雄花に集まることが観察された。一方、雄花が開花し他の訪花昆虫が集まってくると、WCSBは雄花上には見られなくなった。クロマツの雄花は、雌花や針葉よりも暖かいという仮説を立て、ハイパースペクトルセンサーで分光反射率を測定し、熱電対でマツ器官の温度を測定し、熱収支モデルで解析した。その結果、雄花は雌花や針葉よりも著しく温度が高く、雄花上のWCSBは他の器官のWCSBよりも体温を高く維持できることが示された。

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