日本森林学会大会発表データベース
第134回日本森林学会大会
セッションID: A16
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学術講演集原稿
捕獲された害獣個体の多用途利用について
*稲富 拓人
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キーワード: シカ, イノシシ, 皮革
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抄録

現在、我が国では害獣による農作物被害、林業被害が大きな問題となっている。とりわけ、シカ(ニホンジカCervus nippon及びエゾシカCervus nippon yesoensis)とイノシシ(Sus scrofa)の2種による被害は深刻である。

主な害獣への対策として捕獲が挙げられるが、捕獲により発生した害獣個体の多くは利用されず廃棄されている。近年、捕獲された害獣個体の肉をジビエとして活用する動きが全国で見られている。一方で、皮や角、骨といった、肉以外の利用は進んでいない状況にある。害獣個体全体の利用が進めば、害獣個体から生まれる利益も増加し、ハンターによる捕獲圧も高くなることが推測される。この点で、捕獲された害獣個体の多用途利用を推進することには意義がある。

現在、害獣個体の多用途利用を行う業者、団体の現状について論じた研究やデータは少ない。多用途利用を行う業者、団体に関するデータは、今後害獣個体の多用途利用を勧める上で有益なものとして活用されることが期待される。

本研究では害獣個体の多用途利用を行っている67の業者、団体にアンケートを実施し、回答があった24の業者、団体の回答を基に多用途利用の現状、課題を論じた。

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