1998 年 10 巻 2 号 p. 348-355
ネットワークにおいて最適経路を求める際、各々の弧に対して数値化が困難な情報を加味することがある。そのような問題を解くための一解法として、弧の長さ以外の情報を弧の存在可能性とした「経路の長さとその存在可能性の2目的経路問題」を提案する。この論文では、まず存在可能性が最大の弧のみを取り出してネットワークを作り、その最短経路をFloyd-Warshall法を用いて求める。その後存在可能性が大きい順に弧を追加し、その都度最短経路を更新して行く。求めた非劣解(経路の長さ、経路の存在可能性)の中から最適解を求めることは意思決定者に任されている。また、弧の長さがファジィ数の場合についても考察し、λ-順序を用いたアルゴリズムの拡張を提案する。