日本ファジィ学会誌
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条件付因果可能性とその因果逆問題への適用
山田 耕一
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1999 年 11 巻 1 号 p. 104-111

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抄録
因果関係の不確実性評価には条件付確率がよく用いられるが, 条件に記述した事象以外が原因となって結果が生起する事象も含む評価であるため, 人間が考える因果関係の不確実性とは異なることが指摘されている.Peng & Reggiaは, 「原因が生起しそれが原因となって結果が生起する事象」を因果事象, 因果事象の条件付確率を条件付因果確率と名付け, これを因果逆問題, つまり複数の結果が生起した条件下で任意の複数の原因が生起している確率を求める問題に適用する方法を示した.本稿ではこの条件付因果確率と意味的に類似する条件付因果可能性分布を提案し, 従来の条件付可能性分布との関係について述べる.さらに, 条件付可能性分布と条件付因果可能性分布を因果逆問題に適用する方法について検討を行い, 条件付可能性分布を用いると不適切な結果が得られる場合のあることを指摘し, 条件付因果可能性分布を用いるとその問題が解決されることを示す.
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© 1999 日本知能情報ファジィ学会
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