1999 年 11 巻 6 号 p. 1041-1047
これまでにファジィ数理計画法に関する多くの解法が提案されてきた.これらの多くの方法では, 元のファジィ問題をクリスプな問題に変換して解いている.よって, 問題を変換する際にどのように元の問題に含まれるファジィ情報を用いるかが重要となる.本論文では, ファジィ係数を含む多目的線形計画問題に対する解法として二段階アプローチを提案する.第一段階では, 目的関数の実行可能性を考慮して制約条件とファジィ係数のαレベルを求める.そして第二段階では, 第一段階で求めたαレベルをもとに, 目的関数のとりうる範囲を見直した上で, 元の多目的ファジィ問題に対してバランスを考慮した解を得る.