日本ファジィ学会誌
Online ISSN : 2432-9932
Print ISSN : 0915-647X
ISSN-L : 0915-647X
人工生命的手法を用いた動的に変化する複数概念関係の抽出とその長期的予測
木本 武一郎萩原 将文
著者情報
ジャーナル フリー

1999 年 11 巻 6 号 p. 1033-1040

詳細
抄録

本論文では, 人工生命的手法を用いることによって, 動的に変化する複数概念関係の抽出を行い, かつ, その長期的予測を行う方法を提案する.提案方式では, 局所的な作用と大局的な流れを考慮するという意味で人工生命的な手法を用いている.まず, 過去の履歴を表す時系列の数値データから自分の概念と他の概念との関係を表すミクロなルールを持つ人工生命の個体を生成する.個体は個体間の相互作用を通してルールを変更し, それらのルールを統合することで各概念の活性の度合を予測値として求める.特に, 統合されたルール(マクロルールと呼ぶ)はユーザに分かりやすい形で表現され, 個体にフィードバックすることにより環境に応じた予測を行うことに貢献する.計算機シミュレーションにより, 以下の提案方式の有効性を確認した.1)予測能力の向上, 2)動的に変化する複数概念関係の抽出, 3)予測の難易度の推定可能.

著者関連情報
© 1999 日本知能情報ファジィ学会
前の記事 次の記事
feedback
Top