日本ファジィ学会誌
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SIRMs動的重視度結合型ファジィ推論モデルによる二重倒立振子システムの安定化制御
易 建強湯場崎 直養廣田 薫
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2000 年 12 巻 2 号 p. 329-340

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抄録

SIRMs(Single Input Rule Modules、単一入力ルール群)動的重視度結合型ファジィ推論モデルを二重倒立振子システムの安定化制御問題に適用し、実際のファジィ制御器の設計手法を提案すると共に、6入力項目のシステムにおいても有効であることを示す。直列型二重倒立振子システムに対して、両振子の角度制御と台車の位置制御を行う6入力1出力の安定化ファジィ制御器を構築する。上部の振子の角度制御を優先するように各SIRMと各動的重視度を設定する手法を述べる。SIRMと動的重視度によって、両振子の角度制御と台車の位置制御が優先順位を制御状況に応じて自動的に切り替えながら並列的に行われることを明らかにする。制御シミュレーションで、本安定化ファジィ制御器は汎用性が高く、パラメータの異なる直列型二重倒立振子システムを約10秒間で完全に安定化でき、しかも安定化できる両振子の初期角度の範囲が広いことを示す。並列型二重倒立振子システムに対して、直列型二重倒立振子システムの場合とほぼ同じ構造の6入力1出力の安定化ファジィ制御器を作れることを述べる。この制御器で、並列型二重倒立振子システムを10秒内に完全に安定化できることを示す。これによって、ファジィ手法では初めて台車の位置制御を含めた並列型二重倒立振子システムの安定化制御を実現する。

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© 2000 日本知能情報ファジィ学会
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