日本ファジィ学会誌
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格子構造ニューラルネットワークによる学習法の提案(<特集>SOMとその応用)
市村 匠大枝 真一山下 利之田崎 栄郎
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2002 年 14 巻 1 号 p. 28-42

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抄録

ニューラルネットワークの学習法の1つであるBP学習は,中間層のニューロン数が十分であれば高い学習能力があることは知られている.ところが中間ニューロンの解釈が難しくブラックボックスと呼ばれる原因となっている.この問題の解決のために,ネットワークからルールを抽出する手法がいくつか提案されているが,抽出されたルールどうしの関係は述べられていない.本論文では,中間ニューロンどうしの競合を考慮するために,中間層で格子状にニューロンを配置した格子構造ニューラルネットワークを提案し,中間ニューロンを生成/消去し,教師信号に応じて適切なニューロン数を決定する学習法を提案する.この方法は,BP学習の特徴と競合学習の特徴の双方を合わせたもので,入力信号の特徴で近いものどうしが,格子状の中間ニューロンにより形成されたマップ上で近い位置に出力し,さらに全体として教師信号の入出力関係を表現する能力をもつ.提案したネットワークの有効性を示すために,幾つかの関数の同定,座標値の分類実験を行い,その結果を報告する.

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© 2002 日本知能情報ファジィ学会
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