自己組織化マップ(以下SOM)を用いて画像データベースシステムを構築した.それにより,キーワードや属性記述に基づく分類・検索が困難な画像データを,特微量により自己組織的に分類し,画像入力による検索が可能となる.本稿で対象とした画像は約200枚の蝶の標本画像で,SOMに入力する特徴量ベクトルは,色清報,形状情報,テクスチャ情報の3要素から構成される.色は,HSL表色系に対する閾値操作で得たカラーヒストグラムの10次元ベクトルで表現した.形状は,中心位置から外周への距離を24等分した角度毎の平均距離で表した24次元ベクトルと,重心まわりの高次モーメントである2次元ベクトルで表現した.テクスチャは,同時生起行列から算出した統計的特徴量からなる52次元ベクトルとした.これらを組み合わせた88次元ベクトルを入力としてSOMで学習させる.検索時には,画像を直接検索キーとして用い,データベース内で最も近い標本を呈示する.また,検索用の画像が手元にない場合には,システム側からユーザに複数のサンプル画像を呈示し,選択の繰り返しによる絞込みを行なう.特に形状特徴に対するサンプル生成には1次元SOMを用いたクラスタ分割を行い,クラスタ代表を用いたサンプル呈示を行った.
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