日本ファジィ学会誌
Online ISSN : 2432-9932
Print ISSN : 0915-647X
ISSN-L : 0915-647X
自己組織化マップ(SOM)を用いた配電用変電所の電力需要予測(SOMとその応用)
乾 正博杜 紅大木 誠大北 正昭
著者情報
ジャーナル フリー

2002 年 14 巻 2 号 p. 165-175

詳細
抄録
本論文においては、多次元データの分類に効果的な技術として知られている自己組織化マップ(SOM)を用いて、電力系統の末端に設置された配電用変電所での日々の電力需要のデータを平面上に可視化することにより分類可能であることを示し、さらに作成したSOMに蓄えられた過去の電力需要データの頻度分布情報から電力需要曲線の予測が行えることを示した。予測の内容は、電力会社が変電所設備の効率的な運用に役立てることを考慮し、当日の電力需要(最大電力需要値と到達時刻、並びに電力需要値の推移)と数時間後までの電力需要の2種類とした。この時、予測日によっては、日々の特異な気温変化によると想定される予測誤差の発生が認められた。その点を改善するために、学習データとして、気象情報の最低気温値と最高気温値を追加することにより、予測誤差の低減が可能なことを示した。また、数時間後までの予測に対しては、入力次元数の削減による入力データパターンの単純化と予測時間に対する実測データの入力数の割合を増加させる等の対策により、高い予測精度を得ることができることを示した。
著者関連情報
© 2002 日本知能情報ファジィ学会
前の記事 次の記事
feedback
Top