2002 年 14 巻 5 号 p. 482-490
本論文では、UNIXコマンドラインを対象にして、より使いやすく効果的な予測インタフェースを提案する。提案システムでは、支援情報に基づいて次に入力されるべきコマンド名を予測し、さらにコマンド名に続く引数単語の入力支援を行う。提案システムの特長は、予測に用いる支援情報をユーザの操作履歴からリアルタイムで抽出する点にある。そのため、ユーザが明示的に追加知識などを記述しなくても、一度実行したパターンを少ない作業負荷で再実行できるという利点を持つ。ユーザ入力と同期した予測操作を繰り返すことによって、予測に有効な支援情報の絞り込みを行うので、あらかじめシステムにコマンド別の詳細な文法的知識などを与える必要がない。また、獲得した支援情報の再利用も可能である。評価実験では、代表的な予測手法であるFRQ,LRU法と比較して提案システムの有効性を評価した。