日本ファジィ学会誌
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Between 集合の数学的性質
吉川 歩
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1992 年 4 巻 1 号 p. 150-159

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抄録
工学分野などで言葉を使って対象を表現するためには, 言葉に存在する意味の境界の不明瞭さと言葉の離散性を扱うことができなければならない.前者はファジィ集合を使って表現することができるが, 後者については有効な手法を模索している段階である.本論文は言葉の離散性を扱う上で重要な意味をもつ二つのファジィ集合の"間"を表す集合の定義を与えることを目的とする.まず"間"の集合を求める元となるファジィ集合や全体集合の満たすべき条件を明かにした後, "間"を表現する集合(Between 集合と呼ぶ)を二つのファジィ集合の所属度の差の絶対値を1から減じたものとして定義する.そしてこの Between 集合が凸性や要素に関する高い表現力などの応用上も優れた性質をもつことを示す.さらにシミュレーションにより他の演算から得られる"間"の集合との比較を行い, 本提案の Between 集合の特長を示す.
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© 1992 日本知能情報ファジィ学会
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