1992 年 4 巻 5 号 p. 985-995
本論文では、ファジィルールの論理関係を構造に反映し、ニューラルネットワークのもつ汎化能力を用いて推論を行うファジィルール構造化ニューラルネットワークを提案する。構造化された各部分がファジィ推論システムにおける基本的な演算機能を分担する。推論はニューラルネットワークのもつ汎化能力を利用する。ファジィルールとして記述される先験的知識にもとづき、前件部ファジィ命題のメンバーシップ関数の初期状態を設定し、事例データを分類する。この分類結果により後件部の学習を行う。さらにニューラルネットワークの逆問題の解を利用して前件部ファジィ命題のメンバーシップ関数を調整する。提案したファジィルール構造化ニューラルネットワークをシステム同定問題に適用し、その有効性を検討する。