日本ファジィ学会誌
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連想記憶にもとづくファジィ知識を用いたヘリコプター軌道飛行とその洗練(<特集論文>ファジィ・ニューラルネットワ-クとその応用)
山口 亨溝口 祐美子美多 勉
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1992 年 4 巻 5 号 p. 968-984

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抄録

ファジィ知識を用いた2自由度制御系を提案し、小型模型ヘリコプターの軌道飛行を実現する。軌道飛行の操縦知識は1)安定化の操縦知識(飛行高度等の状況により特性が変動するヘリコプターを常に安定に保つ操縦知識)と2)目標軌道追従の操縦知識(ヘリコプター操縦時の遅れを考慮した軌道飛行のための抽象的で動的なパターンの操縦知識)との2種で表現できる。本稿では、この2種の操縦知識を1)If「状況」then「操作モデル」のルール表現による静的なファジィ知識と2)一連の操作パターンの動的なファジィ知識とを用いて表現し、独立に制御設計する2自由度ファジィ制御系を提案する。また、この2種の静的・動的ファジィ知識を表現し訓練でその知識を洗練するために、ファジィ知識表現とニューラルネットの学習・連想機能を融合するファジィ連想記憶システムを用いる。提案の2自由度系では、従来方式におけるルールの増大による設計の困難さの問題を解決し、抽出が容易なコンパクトな知識の組合せで多種の軌道飛行を実現する。円形や8の字形の軌道飛行実験により、本稿で提案の連想記憶を用いた2自由度ファジィ制御系が軌道制御へ有効であることを示す。

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© 1992 日本知能情報ファジィ学会
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